山本譲二 - 歌詞一覧 - 歌詞Tube
泣いていないか恨んでないか
人のつくった人の世に
消し忘れた煙草を
戻って来いよと便りを呉れた
おとこが背中で泣く夜はおもかげ
おとこが背中で泣く夜は
テールランプの赤い河
沖に出たままもどらぬ親父と
流れの旅でめぐり逢う
奥入瀬雪どけ阿修羅の流れ
降りだしたにわか雨
ザンザ ザンザと 波のりこえて
鳴りだした汽車の笛
夕暮れ時に川原の上で
白いうなじのほつれげさえも
あなたごらんと
ほうずきほうずき赤い実を
極上の酒を海神に捧げる
初めて逢ったあの日から
越える山坂お前の手をかりて
砂けむりをあげて滑り込んだ君が
残りの冬がからたちの
淋しげな人ばかりすれ違う
唸るスクリュー関門海峡
沖に浮かぶ流氷に
落ち合うはずのこの駅に
君が遠くへ飛び立つ
きらめく風に気づいたならば
涙をいっぱい目にためて
もいちど お前に逢いたい
あいつに心底惚れていた
さみしさはたとえば旅路の
悲しい過去を微笑って話す
おまえが拾った涙のかずだけ
緑したたる鎌倉で
新宿で見る月に白いウサギは
晴れたと思えば冷たい雨が
どじな恋だったねせめて
玄海灘に時ながれ薫風かおる
竹べら突ついて穴あけて 遠い昔に
あれはまだにきび盛りの
お前の捨ててきたやすらぎ
こんなにやつれてこの俺を
男なら迷うな恋に
春まだ寒い長門峡よ
冬枯れの荒野の空に碧く
相合傘でよかったらそこの駅
眠りをわすれたこの街は
シベリアおろしの季節がまた来たね
俺のこころに土砂降りのなみだ
季節外れの椿の花が
すこし痩せたのか雨のせいなのか
おまえの涙が雨になり
運命を何故にふたつに分けた
灯りまばらな裏通り
不幸でいるなら 心が痛い
泣いちゃいけない涙をおふき
酒に酔ったら思い出すだろ
庭にふく風垣根ごし
俺が選んだ明日の夢に
砂山にさわぐ潮風かつお舟
橋の長さにとまどいながら
星空に谺する歓声に
泣くな嘆くな人の世を夜明けの
縄の暖簾に そぼ降る雨も
目覚めた時は深夜だった
ここでいっしょに死ねたらいいと
別れたやつだと つよがりいって
逢いたかったよ身を切る
海を渡った蝶もいる
男に生まれた 淋しさは
少し太めの ワッパを抱いて
揚子江 揚子江 流れいつも
寄り添う影を夜霧がつつむ
もう会うこともない私の恋人よ