鳥羽一郎 - 歌詞一覧 - 歌詞Tube
ZANZA ZANZAと男船あばよ
ひとは誰でもしあわせを求め
縄の千切れたのれんを潜り
きみが泣くから海が泣く
酒が涙の替りになって
東シナ海日本海
海が裂ける岩が吠える
あんたにあげた愛の日々を
ずい分遠くまで来たなァ
転がる石を蹴飛ばした
視界三百六十度西に
風よ吹け花よ散れ涙も砕け
ドブに落ちたら面を出せ
果てしなき海の彼方に
海の匂いがしみこんだ
海鳴りが呼ぶ挑戦しろよと
誰にでもあるだろう
波に頭をぶんなぐられて
海に抱かれて酒など喰らい
春一番がやって来りゃ
指でさわれば傷つくだろう
働く人が 好きだから働く者の
ひとり暮らしのアパートで
夢ものぞみも故郷も今じゃ演歌の
時化で怯えて港にいたら
紅い紅い炎の大松明が
板子一枚生命をはった
ゆんべも君の夢見たよ
とめるおふくろの気持ちは
私生まれも育ちも葛飾柴又です
男が唄う男の詩が
生まれ育った故郷の昔なつかし
あかぎれ指先痛かろな
親父が船長で伜のおれが
子でも孫でもない他人の子を
前に広がるこの英虞湾の
朝は燃える太陽夜は揺れる
愚か者よおまえの流した
古い錨にからんだ夕顔の
酒は熱かん佐田岬肴はきんめ
人は誰でもこころの海に
私はいつもあなたに言った
うしろ向きに肩を寄せて
人の世の坂ころげ落ち
でっかな親父の肩車
浪花生まれで河内の育ち
ばかながきほどかわゆてならぬ
おやじの背なにしばられて
闘い終えた男らが
北へ東へ旅から旅へ数えりゃ
生まれた港をはばたくときは
山背が吠えればこころも
口は荒いが根はやさしくて
男が二人で女がひとり三角波だよ
波の谷間に命の花が
波と岩との 喧嘩場岬
いとしいひとあなたはいま
嘘も誠も呑み込んで
ふるさとに喧嘩祭りがあって
能登の岬に雷鳴れば船を
尾張の空から天下にひびけと
君は眉あげ東を望む
忘れてしまいたい事や
涙には幾つもの想い出がある
岩肌で眠る海鳥たちは
波の小鼓また大鼓かっこかっこと
はるばると訪ねきた北の曠野
それじゃ行くぜと背をむけりゃ
哭いているような長崎の街
女は海だ荒れたら恐い
焼いたアワビにからくち地酒
生まれたときから吹いていた
鯱って奴は 自分より
お嫁にゆくんだね おめでとう
女は船だよかわいいけれど
まぼろしのまぼろしの
祭りさわぎの浮き世のうらは
汗かきべそかき恥もかき
はなれてはじめて気づくことも
男の全てを一本釣りに賭けて
一キロ四円の スケソウが
そんな駅がある男には
駐車場からでてきた女性は
駿河の海と喧嘩をしても
火花散らして打かれながら
船の舳先で盃割って天が
五人も 伜がありながら
海の商人オンボロ船は
空に星があるように
あてもなく流されてさすらう
凍る飛沫の横殴り泣くな吠える
甘いときはずむ心ひと夜の
冷酒を一ぱい 一気に干して
こんど港へ戻ったときは逢いに
鎧かぶとに生命あずけ
軽い野郎がもてはやされて
花咲く蔭に散るもよし
あなたはすっかりつかれてしまい
旅の空日暮れて街道に
義理の貸し借りあればこそ
ひょろりよろけるお前の肩を
鉛色した怒濤の波は
俺が死め程ョ好きだと泣いた
意地の締め込み度胸の法被
神戸へ寄るのはいつですか
夢砂漠のぞみ破れて
遠賀土手行きゃ雁が啼く
カリブの風に誘われて
涙も見せずに送ってくれた
ひとりで寝る時にゃよォー
ひむかの朝日が熱く燃えて
日向灘から白波立てば
御船屋吉兵衛音頭取り
みぞれまじりの しぶきを頭から
本牧で死んだ娘は鴎に
秋を蹴散らし冬がやって来た
苦い涙をしこたま呑んで
帰る気になりゃ 日帰りで
あの子に惚れたその日から
港に待たせた船は
とめないでいいのかい
海が恋しい船乗りたちには
七つの姉と 五つの俺が
はるばるきてもつきせぬものは
飯粒で閉じた手紙の束も
あたし捨てたら殺すよと
京都にいるときゃ忍と呼ばれたの
息子二人と愛する妻と
海が海が海が吠えるお前の形見
マグロ追いかけ赤道こえる
小樽運河に着物でいたという
男はちまちま生きたら駄目と
霧は男のため息かそれとも
青い夜霧に灯影が紅い
流氷鳴らす冬将軍と男どうしの
Love is over 悲しいけれど
誰も知らない夜明けが明けた時
天を衝く龍のよう
五円札にヨ 火をつけて
オホーツクの安宿じゃ
他人の出来ない事をやり
維新回天やらねばならぬ
くもり硝子の向こうは風の街
ふるさとよあばよおさらばこれっきり
あなたの愛したひとの名前は
しらしらしらと雨がふる
下駄をならして奴がくる
晴れれば浮かぶサハリンの