鏡五郎 - 歌詞一覧 - 歌詞Tube
一升徳利を手土産に
あばれ天竜飛沫に濡れて
男同士の 約束ごとは
迷い螢が何処からか部屋に忍んで
紙縒で作った指輪だけれど
わかれ盃なみだで干して
湯舟に浮かぶ三日月を
弱い身体で無理などするな
女将さんうれしいよ
漁火ゆれる若狭の宿で別れ
松の廊下の刃傷を
馬鹿な片意地
こんなド阿呆に惚れたも阿呆よ
おまえの笑顔を見ているだけで
針で刺すよな世間の目より
明日にはぐれた男の涙
蔭であなたを支える花に
春にはすこし早いけど
くじけちゃ駄目だと
北へ流れてこの酒場
夜空に火を吐く大松明を
忍ぶ恋でも情炎が燃えりゃ
昔かたぎの気ままな俺に
波が牙むく能登の海山を背負った
いくら惚れても尽くしても
今夜で終りの恋ですか運命に
三ヶ月待たせて逢うのはひと夜
富士を背にして清水を起てば
伊豆は湯の里湯けむりに
演歌ひとすじ やるぞと決めて
意地と人情の二つの輪っか
花のいのちをこの手に預け
春に背いて散り急ぐ
苦労くの字もおまえといれば
天に羽ばたけ星雲越えて
ふられたぐらいで泣くのはあほや
通天閣を見上げる町で
なんぼ上手に儲けてみても
川面に揺れるかがり火は
握るハンドルトラック野郎
勅使下向の春弥生
ひとつ枕に身をよせながら
連れは一日遅れて来ると
帯の結び目逆手で締めて
酒じゃ消せない心の憂さも
噛んだくちびる血をにじませて
夢を抱くよにおまえを抱いて
おまえと歩いた人生は
軒下三寸借りうけまして
めぐり逢うのがさだめなら
いっそ泣けたらどんなにいいか
別れたあとの冷酒地酒あれは
俺に甲斐性があったなら
遅れて来た春かみしめながら
遊び呆けて行き着く先は
二千石でも百石ぐらし
情けの糸はむすべても
三味線を叩けば思慕がはじけ
空へ伸びずに地面を這って
からからと木枯らしに泣きながら