水森かおり - 歌詞一覧 - 歌詞Tube
傘をあなたに差し掛けて
はるか翼のむこうに見える
しとしと小雨が降るこころに
いまごろどうしているのかしら
ひとりで旅するおんなの背中
掴んだつもりがいつしか消えた
捜せなかった別れた後は
豆腐屋のラッパの音が
風に吹かれる木の葉のように
潮来花嫁さんは
分けあういたみ思いやり
捨てて下さい私をここであなたを
帰らぬ恋など追わないで
ヒュルヒュルとヒュルヒュルと
橋の上からあなたの写真
肩を射す木漏れ日にふいに
地図を広げて探してみても
忘れたなんて口先ばかり心は
汽車からバスに乗り継いで
かわいい女で夢見ていたい
愛しさ憎さがぶつかりあって
傘はいいのよ濡れたって
来るか来ないかわからぬ人を
愛を失くした女の部屋は
車窓をたたく雨が
近くなる度何故遠ざかる
たったひとことさよならを
あの娘可愛いやカンカン娘
愛の暮らしも月日が経てば
離れるほどに恋しさつのる
潮風さえ白く凍りつく
汽車の窓からハンケチ振れば
愛の香りが残るこの部屋
抱かれた腕の優しさで
どこへ行ったらあなたから
愛し合っても実らぬ恋の
破られるためにあるのでしょうか
桑港のチャイナタウン
思えば遥かな道のりを
愛するだけでは結ばれなくて
奄美なちかしゃ蘇鉄のかげで
落葉の舞い散る停車場は
息を呑むよな景色さえ
心の迷いを道連れに
愛していても解れて切れた
野風・山風杏の花を乗せて
君がみ胸に抱かれて聞くは
この先は何もないよと
夢なかばでは戻れない
女の胸の傷あとを
浴衣に着がえ宿の下駄を
りんごのふるさとは北国の果て
二度と逢えないひとだから
あなたの声が恋しくて
愛する想いを絶ち切るつらさ
旅の終りは一番遠い
ライトの虹を踏みながら
若い希望も恋もある
別れ旅する女の胸を
潮の匂いに包まれながら
小雨に濡れる浜撫子の
南国土佐を後にして都に来て
いつも女は泣くために
哀しみ色の想い出捨てに
ハーハワイみどりの夜
愛の終わりを仕草で知った
春は桜の薩摩路を行けば涙が
空は晴れても心が寒い
恋にやつれた襟元に
おんなの胸の面影は
ひとつの蛇の目に寄り添えば
北へ行こうかそれとも西か
涙どんなに流してみても
雨に散りそな花びらに
雨の日風の日あるけれど
女のいのちが花ならば
これが最後のふたりの旅と
愛をなくした心のように空は重たい
格子戸をくぐりぬけ見あげる
白い浜辺をひとり歩けば