小椋佳 - 歌詞一覧 - 歌詞Tube
両手で指で数えるだけの
胸おどる特別な
ガラスの扉をたたくのは誰
雨潸々とこの身に落ちて
あいつが死んだ
突然真面目な顔して
いたいけな眼差し投げ続ける
赤茶けた平原にひびく地鳴り
君を花に例えたら笑うだろう
ゆうべのワインの
ひんやりとした水で顔を洗えば
きっと初めての空を飛ぶ鳥の
雨だれの音がやさしかった
高原をゆく子馬たちよ
花の散ることは淋しいこと
夜になおざわめく者よ魔法使い
風の流れの激しさに告げる
うす紅色の恋をして
こぼれ松葉をかきあつめ
どうはかない夢だったのと
わざわざ選んだ古びた
王の王を治める王のそのまた
旅は長く遠く肩の荷重く
大空から見れば豆粒ほどの
オナカの大きな王子さま
想い出して下さいあの頃を
夢の坂道は木の葉模様の石畳
惜し気無く故郷の大地
敷石道の曲がり角
たどり来た道のりを思いおこし
母のいない留守はつまらない
風も過ぎ星も過ぎ
幸せの中でつきあたりを
出逢いのその日から街のよどみ
秋から冬を羊追い追い
波を遊ばせ岸辺囁く
君だけの輝き真正面に憧れを
その花の道を来る人の明るい
今年始めた鉢植えの
わずかばかりの緑にも
楚々と飲む心づくしの酒もあり
今日だけは涙を許して下さる
ひとり古城にたたずめば
確かな想いが胸を揺らすけれど
言うことが多すぎて
この汽車は機関手が
帰るときめた夜が明ける
子らよあどけなく愛しき者よ
運命は必然に偶然重ねの
母親の物語りに飽きて
僕は呼びかけはしない遠くすぎ
しおさいの浜の岩かげに立って
真綿色したシクラメンほど
まっ白な陶磁器をながめては
白い浜辺に日を浴びながら
少しは私に愛を下さい
トロピカルフィッシュの泡音の
ただお前がいい
あなたひとりの旅の仕度を
君よ語ってみないか生まれた
その顔の形その目の色
訳もなく気も狂うほどの孤独に
小さな街の小さな恋
朝から風昼なお嵐夜は更に雨
戯れて語り合おうか
きっといい人がいる
街角で偶然に出あったとても
朝の光が今日は眼に痛い
生きてきて心に尋ねこれが宝と
楽しい思い出ばかりなんて
流れるなら永い河を君の姿眺め
名もない魚が海にいた
あぁある日見えてくる
訪れては去る月日は人それぞれ
古いノートになぐり書きした
腰をおろしたきりかぶ小首かしげ
人間達が急ぎ足で
ひと時のあなたの吐息を受けて
思い出を訪ねる人の
こうとしか生きようのない人生が
むなしさが夕暮れと雨を連れて
素晴らしく熱い涙を人は心に
陽だまりに腰かけて
たったひとすくいの水のために
借りてきたばかりの上に
船旅に擬えるなら兎に角に
想い出にするだけの価値もない
池よりも湖よりも海よりも
今日もまた夕陽が心の中の
静かな夜空に星が見守る
うすもやに包まれて
君が着た花がすり君が舞う花
振り返る街の過ぎて来た村の
街角へ来るとたそがれの終り
マティオその大きなオナカは
まっすぐに張った糸が
涙が歌になるような
時は私にめまいだけを残して
気づかわないで別れには
ある日公園でみたことのない
例えば遥か南の島の
街にひとふきの風心にふれゆく
六月の雨には六月の花咲く